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iDeCoの出口戦略を考えていますか?

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コロナショックによる相場変動を受け、楽天証券では2020年3月の証券口座開設者数が16万超と過去最高を記録しました。

それもあってか、投資の未経験者を中心に投資信託の積み立てを始める人が増えているようです。

また、それに合わせ、最近メディアでも取り上げられることが増えた『確定拠出年金(iDeCo)』の利用を開始したという人も多いと思います。

 

iDeCoでの積み立てを開始した方は、もう十分にメリットを理解していることと思いますが、出口戦略のことまでまだ考えていないという人は多いのではないでしょうか。

出口戦略とは、投資したお金をどのように回収するのかということです。

 

iDeCoで積み立てた資産は60~70歳(現在、法改正により上限は75歳まで延長予定)の好きなタイミングで受け取りを始めることができます

しかし、回収の仕方に知識がなく、誤った回収をしてしまえば、本来得られるはずだった利益を失うことになります。

iDeCoは受け取り方で、大きく損をしてしまう方もいるということです。

 そこで今日は、iDeCの出口戦略についての記事です。

 

  

iDeCoの受け取り方

iDeCoで積み立てた資産は60~70歳(現在、法改正により上限は75歳まで延長予定)の好きなタイミングで受け取りを始めることができます。

iDeCoは「所得税・住民税の控除」と「運用益の非課税」があり、効率的な資産形成が可能ですが、受け取り時には課税がされます

受け取り方は、主に『年金』『一時金』のどちらかを選択します。(金融機関によっては『年金と一時金の併用』もできます)

 

 年金で受け取る場合

『年金』で受け取る場合は、5年以上20年以下の有期年金として受け取ります。

1ヶ月に1回や2ヶ月に1回といった受け取り方は、それぞれの金融機関ごとで異なるので確認をしておきましょう。

 

また、年金で受け取る場合、一定額まで税金のかからない控除枠が用意されています。

それを、公的年金等控除枠と言います。

公的年金等控除額は年齢と収入により計算方法が変わります。

公的年金等控除額

【65歳未満の場合】

  ☞収入が70万円以下

   ⇒非課税

  ☞収入が70万円を超える

   ⇒金額に応じた区分に従って課税

【65歳以上の場合】

  ☞収入が120万円以下

   ⇒非課税

  ☞収入が120万円を超える

   ⇒金額に応じた区分に従って課税

年金受取の注意点としては、公的年金の収入とiDeCoの収入の合算の金額が所得控除となるということです。 

現在、公的年金の受け取りだけでも所得控除枠を超えてしまい、税金が発生する方がほとんどです。

そのため、iDeCoの収入を合わせると、iDeCoの収入分がすべて課税されてしまうというケースが多くなります。

 

一時金で受け取る場合

『一時金』で受け取るというのは、一括でまとめて受け取るという意味です。

一時金で受け取った場合も、一定額まで税金がかからない退職所得控除があります。

退職所得控除の額は、掛金の積み立て年数によって計算方法が変わります。

退職所得控除額

【積み立てが20年以下の場合】

  ☞ 『40万円 × 積立年数』

    ※80万円に満たない場合は80万円が控除額

【積み立てが20年を超えている場合】

  ☞『70万円×(積立年数-20年)+800万円』

現在90%以上の人が、税制面で有利な『一時金』での受け取り方を選択しています。

しかし、会社員で退職金を受け取る方は注意をしてください。

退職所得控除の枠は、退職金とiDeCo積立金の合算金額が適応されます。

つまり、退職金で退職所得控除の枠を使い切ってしまうという場合は、iDeCoで積み立てた分に税金が発生してしまい、大きく損をすることになります。

 

このように、受け取り方の違いで損をする人がいるので気を付けてください。

計算方法の詳細は国税庁のホームページ(退職金と税|国税庁)で確認できます。

 

では、どのような受け取り方が最も損をせずに済むのでしょうか?

 

iDeCoの出口戦略

現在90%以上の人が『一時金』での受け取り方を選択しています。

そのことからも、iDeCoは『一時金での受け取り』がメリット最大となる方が多いと言えます。

しかし、退職金がある場合はiDeCoの積立金を受け取るタイミングに注意しましょう。

国税庁の見解では、退職金の受け取りについて以下のように示されています。

国税庁の見解

【確定拠出年金(iDeCo)】

過去14年以内に他の退職金受け取りがある場合、税金が増える

【退職金】

過去4年以内に他の退職金受け取りがある場合、税金が増える

要は「60歳で退職金を受け取り、65歳でiDeCoの一時金を受け取れば、合算して1つの退職金として計算され、退職所得控除的に不利になる」ということです。

逆に「60歳でiDeCoの一時金の受け取りを済ませておき、65歳で退職金を受け取れば、別々の退職金と見なされ、2回分退職所得控除の利用ができる」ということです。

 

しかし、これはあくまで一例で『退職金を受け取るタイミングと金額』や『iDeCoをはじめた時期と金額』によって、税金の計算方法は大きく変わります。

また、iDeCoに関する税制は今後変更される可能性があります。

 

重要なことは、自分の退職金や公的年金、iDeCoの積立金の詳細を把握し、シミュレーションを行い、自分にとって最も最適な受け取り方を検討しておくことです。

とはいえ、税金の計算は知識が必要で、自分一人ではなかなか難しいものです。

そういった場合は、税理士への相談をおすすめします。

 

iDeCoを受け取る時期が近付いたら

出口戦略としてもう一つ注意しておくべきことがあります。

iDeCoの受け取り時期が近付いて来たら、受け取り方とは別に注意すべきことがあります。

それは、「コロナショックのような株式相場の暴落について」です。

iDeCoを長期で積み立てている場合は、今回のコロナショックのような株式相場の暴落が起こったとしても、そのまま積み立てを続けるというスタンスで問題ないと思います。

しかし、iDeCoの積立金の受け取りを予定していた直前にコロナショックのような暴落に見舞われた場合、受取開始時期を後にずらし、運用を続けて回復を待つことが必要になるかもしれません。

そこで、60歳が近付いてきたら、暴落を意識した出口戦略も考えておくことをおすすめします。

例えば、「55歳以降は少しづつ株式の投信をバランス型に変えていくなどの、低リスクの運用を意識する」といったことを検討してください。

 

以上、iDeCoの出口戦略についての記事でした。

「まだ、先だからいいや」と先送りにするのではなく、「どのように受け取れば自分にとって最も利益が大きいか」を知っておけば、直前で焦ることもありませんし、どれくらいの資産を得ることができるかを正確に把握することができます。

 

この記事を機に、iDeCoの出口戦略について考えてくだされば幸いです。